美とは何か?

2003年9月23日
 今日は美というものについて考えてみました。まずあるTV番組http://tv.starcat.co.jp/channel/tvprogram/0407200308091030.htmlで美の探索、旅という特集をやっていました。その話からはじめようと思います。
 この中でルートブルックという人の彫刻に旅人(眞鍋かおり)は出会い感動します。その彫刻の名は「物思いにふける少女」。この作品は石本喜久治という日本近代建築の礎を築いた人が第二次世界大戦中、ドイツから持ち帰ったものだったのです。このルートブルックという彫刻家はヒットラーに弾圧されます。この彫刻家だけでなくヒットラーに都合の悪い芸術家はほとんど弾圧にあったらしいです。そんな状況でこの彫刻が壊される前に石本喜久治が何かを感じて日本に持ち帰ったのです。
 豊臣秀吉の千利休もしかりで権力者によって滅ぶ芸術もあれば栄える芸術もあります。そんな不幸にも滅んでいく芸術は退廃芸術というらしいです。
 その彫刻を持ち帰った石本喜久治には美を感じる心があったように思えます。そして旅人は石本のふるさとの京都で出会うのです。美とは何か?という答えに。
 ではどのように答えを得たのでしょうか。旅人は茶室で禅を組みました。京都の千利休の茶室はその時代では革新的な茶室でした。しかし豊臣秀吉によって追いやられてしまいます。おそらくこの茶室で禅を組み考えることはひたすら自分であったのでは?狭い茶室で世界、宇宙を感じるとともに自分を見つめること、考える基本はそこにある。
 そこで大徳寺の和尚さんに悟られるのです。美とは?和尚さん曰く、「花も美しい、月も美しい、それを感じる心も美しい」
 これは非常に重く、深い言葉です。自分の中に美というものがあるのですね。こう考えると、石本喜久治の中には美というものがあった。美を感じる心があった。それを本当の意味で理解しようとするなら、その芸術家が創造した美を鑑賞するとともにその芸術家がその作品を作った背景とその人生を知らなければ美というものを理解することは難しいのです。
 戦時中、評価されず弾圧された彫刻を石本は美を見出し日本に持ち帰り保護した。その芸術家の人生を理解するとともに・・・

 自分を見つめることで美を見出し形にする芸術家。その美を鑑賞する人は芸術家の中にある美を感じなければならない。魂の美しさは目に見えない美なのではないでしょうか。その魂を感じるにはその芸術家の人生を知ることでできるでしょう。目に見えない美を感じることが重要なんですね。

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